2019年12月24日

なんでわからないんだ、もう!となる前にできること

こんばんは。

よくあるルールの伝え方でありがちなこと

「走らない」「騒がない」「一人でやらない」

否定形で伝えると伝わらないことがあるのではないでしょうか。
もし自分のやってほしいことを相手に伝えても伝わらないならば、
自分が否定形で伝えてないか考えてみてはどうでしょうか?

「走らない」(否定形)=「歩く」「スキップする」「立っている」「座る」などなど

「〜しないで」と我々が言う時、無意識に歩いてほしいと思っている場合がありますが、「走らない」というときには、「歩く」以外にもたくさんの肯定形の言い方が含まれています。

否定形で伝えても、解釈の余地が多く分かりにくい場合が多い気がします。

他の例でなら

「そのフード(赤色)はTPOに合ってないよ」
=今来ている服がこの場面で着ていい服ではない

というところまでは相手が分かったとして

次の日
言われた本人は、
薄いピンクの色のフードを着てくるかもしれないし
フードはやめたが、真っ赤なセーターを着てくるかもしれないし
他にもいろんな可能性があるやもしれません。

ちょっと言い方を変えてみよう

「淡い色のフードを着てきてね」

こちらのほうが解釈の余地が減っているはずです。
厳密には淡い色のフードって何色から何色まで?

という曖昧さは残りますが。

否定形で伝えたくなる時、肯定形で何というか
考えてみてほしいです。


面倒だと思うかもしれませんが、

ずっと否定形を言わずに、肯定形で伝えるように
練習していると

頭が異常に疲れてくるかもしれませんが。。
「ダメ、しちゃいけない!」と伝えたいのに、
「これならしていいよ」と言い換えるのはなかなか骨です。


でも


肯定形で分かりやすく
「〜ならしてもいい」と伝えて
相手が理解してくれるとめちゃくちゃ嬉しいです。

理解してもらうためには色々な方法を試してみたいです。
そして、いつか伝わると思うので、根気よく色々やっていると



うわ!分かってもらえた!そう思える時が来るかもしれません。



もちろん
100%万能な方法ではないですし、伝わらない原因は他にも有ると思います。

上に上げた例は全部指示ですから、言い方、表現の仕方が肯定形、否定形であるかどうかの前に

命令と感じて、イライラさせてしまうかもしれない。

命令よりはお願いの方が相手は受け入れやすいのではないだろうか。



そんなこともあるだろうし


あくまで伝え方の一つの方法として(肯定形とお願いを使う)

「し」(行動)+「ないで」(否定)よりも

「して」(行動)+「ほしい」(肯定形+お願い)

の方が具体的だしお願いされて悪い気はしないのではないでしょうか。


さわい拝

NPO法人コネクトスポット
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Posted by コネクトスポット at 01:27 │コメントをする・見る(1)発達障がい

2019年12月13日

少しづつ止めていくことと、少しづつ積み上げること

こんばんは。澤井です。



ABAの人は冷たいというイメージってある人はいますか?
僕もそういうイメージを抱いたこともありますが。


TEACCHの偉い先生にABAとTEACCHは違うの?って聞いたことがあります。
基本的にはおんなじやにと 英語で仰ってくれた記憶があります。


ABAは応用行動分析の略です。


最近ABA派の人と喋っていておもしろいなと思ったのは、

「フェイディングはスモールステップとおんなじ」と言っていて

ああ!!そりゃそうだとなりました。



フェィディング、fading(フェードアウト?)「消えていく、減らしていく」みたいな意味だと思います。

簡単に考えると支援を減らしてくということ。



僕は絵カードやスケジュールの支援が大好きなので、足し算で支援を作ります。

つい最近まで引き算の支援、フェイディングなんてどうなんだろうと思ってました。


一方で、
スモールステップについて
今できないことも できることを一つ一つ重ねていくとできるようになるということ


これってフェイディングと似てるという理屈です。


スモールステップのイメージ(子どものできることが伸びていくイメージ)
1 2 3 4 5とできる事が増えていきます。 いきなり1〜5までジャンプではなく、一つづつ本人のレベルに合わせてというところが大事です。


フェイディングのイメージ(子どものできることが伸びていく時に、支援者のすることが減っていくイメージ)
5 4 3 2 1と支援者は支援を減らしていきます。一方で子どもは支援者のヒントが減っても理解が増しているから1 2 3 4 5とできることが増えていく。


そう考えたら、支援を減らす ってなんとなく嫌だなと思ってたのが


フェイディングもスモールステップもおんなじことだなと気づきました。



優秀な支援者に出会うと、嫉妬もしますが、自分のできてなさ(=これからの伸びしろ)に気づけるので、ありがたいなと思います。
何より支援をちゃんとしている人を見ていると気持ちいいのです。やるべきことを手を抜かず、根拠に基づきつつ、そして支援を楽しみ自分を楽しむ。


良い支援って何かっていうと たぶん 楽しむこと 力を尽くすこと 実証されているやり方を使うこと


そういう意味では ティーチでも ABAでも 他の学問でもあまり変わりません、おそらく。


そして、支援者は自分を楽しむ余裕があるから 少しづつ自分の存在を減らしていく 依存関係にならない
そして、被支援者は自分を楽しみはじめ、少しづつできることが増えていく あるいは すでに持っていた才能を開花させるだけ


支援と被支援を乗り越える対話みたいな話も書きたいけれど、ちょっと自分の詳しいジャンルからずれるかな。


さて 今日はおしまい。 また

さわい拝
発達支援アドバイザー






  


Posted by コネクトスポット at 00:13 │コメントをする・見る(0)発達障がい

2019年12月12日

ご本人の力を引き出すために(TEACCHについて)

12月8日にTEACCH研究会の実践報告会で山下と澤井で発表させてもらいました。

澤井です。こんばんは。

TEACCHとは

自閉症の子どもと、コミュニケーションに関わるハンディキャップがある子ども、についてのトリートメント(接遇)と教育とでも訳しましょうか。

Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children

この頭文字をとったものです。


私はTEACCHを勉強してきました。
私の最初のティーチの理解は


絵カードを使う
パーテーションを使う
スケジュールを使う
自立課題を提供する
構造化をする
そんな理解でした。

パーテーション使えば、構造化でしょぐらいに思っていたところがあります。。

構造化は
・スケジュールを使う
視覚的に時間が目に見えるようにする

・自立課題を提供する
人の指示がなくても、視覚的手がかりを使って自分一人で作業課題を終えることができる。

・エリアの意味づけを明確にする。
自閉症の人が混乱しないように(ここはこれをする場所とわかるように)場所の意味を明確にする。

たとえば、1:1で大人と勉強するスペース、一人で勉強(作業)する場所、遊ぶ場所、集団活動をする場所などに分けます。

など他の支援方法と違う(目立つ部分)ところがあります。


私は視覚的な手がかりを多用するのが、TEACCHだと思っていました。
どれだけ自閉症の人が支援者に声をかけられなくても、自分の目で見て理解し、自主的に行動できるようにするというものだと思ってました。


でも、色々な話を聞く中で 大事なことは


これは私がそう思うだけで TEACCHの中心概念がこうだと言っているのではないので、澤井の解釈ですと前置きしますが、


アセスメント(評価)をする
意味の分からない世界に意味をもたらすことで、
本人の力を引き出す
ご家族と共に支援する


つい形に捕らわれてしまいがちです。


私もパーテーションを意味もなく置いていた時もありました。




本人の力を引き出すために、まずは本人の理解度合いを探り、それに合わせたツールを用意する

理解度合いを探るためにアセスメント(評価)をする。

そして、ご家族と一緒に住んでいる本人、そのご家族が幸せであるために、家族と協働してご本人を支援する。


この辺りが大事かと思います。


評価について、補足すると、評価は本人の能力を点数化する、ちょっと上からなニュアンスと感じる方もいるかもしれませんが、評価で大事なことは「今はできていないけど、あと少し手助けや理解が進めばできそうな」部分を大切にします。

できそうなことを探して、どう工夫したらできるようになるか、そんな見方をしていくことが評価だと思っています。

以上は
あくまで私の個人的な解釈なので、ご興味ある方は、

TEACCH研究会などの勉強会にご参加してみてください。
愛知支部のリンクを貼っておきます。
https://blog.goo.ne.jp/teacchken_aichi


次はABA(応用行動分析)について書いてみようかなと思います。

ABAとTEACCHって違うようで似てるな、だいたい同じじゃないかと感じているので。

さわい拝  


Posted by コネクトスポット at 23:24 │コメントをする・見る(0)発達障がい

2019年11月30日

空気を読むのに疲れた方へ

KYという言葉が私が高校生くらいのときに流行りました。

ぼくは何も考えず 空気読めないをKYというのかぐらいにしか考えませんでした。
あるいは
あいつ空気読めねえなと友達を悪く言ったこともきっとあるでしょう。深く傷つけたかもしれません。


空気を読めよという言葉はおそろしく、ファシズム的ではないかと思う時があるんです。


多数派から少数派に同質性が求められるとき
少数派は苦しむと思うんです。


発達障害の方、自閉症スペクトラムの方々は空気を読むのが苦手な方が多いと言われていますし、私自身もそう感じます。空気というルールは、透明であり文脈に依存しており、その場の集団によってなんとなく提示されるものだからです。


「発達障がいがある」と呼ばれてしまう人々は少数派です。日本人口全体の5%程度、50万人弱が発達障害があると診断されているというデータを見つけました。


診断はなくとも、空気を読むのが苦手だけど、なんとか読もうとしている人はどれくらいの数でしょうか。


私は空気は読める時もありますが、読めない時もあります。あとでああやってしまったなあと気づくタイプです。自己嫌悪に陥る時もあります。


発達障害の方(少数派)が空気を読むのが苦手な人が多いとして、
そうではない方、定型発達(多数派)が空気を読むのが得意だとした時



空気読めよという言葉はひどく暴力的に思える時もあります。



なぜわからないんだと思いがち。



空気を読むのが苦手ということは


裏を返すと


彼女ら、彼らはユニークな空気を作れるときがあります。


今この発言する???


とも思えるかもしれませんが


でもね


すごい本質的な発言を忖度なしにしてくれるんです。
それって


いわゆる個性でありとてもクリエイティブなエネルギーだと思います。


かんたんにこの問題について書ききれないので


また書きます。


空気を読もうとして頑張ってる人たちは
そんなにがんばらなくてもいいかもしれません


空気は読むものではない 吸うものだと先輩が言っていた気がします。


さわい
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Posted by コネクトスポット at 20:17 │コメントをする・見る(0)発達障がい

2019年11月24日

問題行動と自己肯定

さわいです。問題行動についての考え方を、ぼくなりに解説してみます。

例えば
うちの子どもはずっと家にいる 
よく癇癪を起こす
親にお金をせびる


ちなみに私は24歳頃でしたでしょうか パチンコ屋に入り浸りで 親の財布からお金を失敬することが度々ありました。やれやれ懐かしいです。12年も前ですね。脱線。

さて、こういう問題行動をどうとらえましょうか。 

まずは事実を探りましょう

うちの子どもは「ずっと」家にいる
→ずっとというのは何年間でしょうか?何ヶ月?何日?何時間?
 あるいは、外出は全くしませんか?お仕事をしていない、学校に通っていないという意味?

なぜこんなことをいうかというと、

ずっとというときに、ほんとうは外出できていたり、事実とちょっと違うことを誇張して言いたくなるから。

ネガティブに見える行動は目につくんですよね。
だから、誇張しちゃうし、事実を忘れがちです。


ではポジティブな行動に目を向けてみませんか。

さっきの例を解釈すると
うちの子どもは「ずっと」家にいる
→うちの子どもは半年ほど家にいる。友達と遊びには行かないが、オンラインゲームをしている「らしい」(一人部屋にいるので、本人との会話や部屋からの音で判断)。コンビニなどへは外出している。

できてるところ
◯オンラインゲームをしている
 (集団で対戦などする場合やチャットする場合もあり、社交性があると言えるかも)
◯親と会話できている
◯コンビニに行けている

できてる行動って実は探せばいくらでもあるのです。
ネガティブな行動、問題に見える行動はすぐに目につくし

管理したくなる
注意したくなる
ルールを守らせたくなる

となりがちですが、
 
できてるところから探すって楽しいですよ。

できてるところ探しは問題行動探しよりも幸せだと思いますし。

他人の出来てるところ探しをするってちょっといやらしいかもしれませんが、相手をマイナスに評価して 問題行動探すよりも

できてるところ探すほうが楽しいですし。

もっと言えば

自分の出来てるところ探しを忘れがちな支援者って多いなって思いもます。


僕が疲れてるときの口癖
「おれはだめだ」
「なんてつまらないやつなんだ」

ま、そんなこともないし
周りが心配するからそんなことは言わなくていいんです。

ぼくが一人前の支援者かは分かりませんが、
自分を好きになることをこの数年がんばってきたら
随分周りの人も好きになれました。
そして、自分がいちばん好きです。たぶんね。


でもたまにネガティブな自分が出てくるんです。
それはそれで周りにどう思われてるか分かりませんが
ぼくかわいいなと思ってます。

澤井  


Posted by コネクトスポット at 01:38 │コメントをする・見る(0)発達障がい

2019年11月18日

オランウータンとチンパンジー

澤井です。前職では放課後等デイサービスで、自閉症やダウン症、発達障害圏のお子さんの支援をしてきました。

発達障がいって何?ってことをわかりやすく書いていけたらいいなと思ってます。

動物園の飼育員さんからオランウータンは自閉症の人と似ているという話を聞きました。チンパンジーは集団の中でポジショニングするし、社交性があるらしいですが。

それに対して
オランウータンはグループで行動せず、基本的に単独で生活するそうで、こだわりが強く、自閉症に似ているらしいです。

非社交的でこだわりが強い=自閉症 ではありませんし
また人間の祖先がオランウータンやチンパンジーでもありません。

しかし、自閉症や発達障がいについての考え方の枠組みとしてオランウータンとチンパンジーの違いを使うとおもしろいなと。

つまり、自閉症や発達障害と呼ばれる方々といわゆる健常者と言われている人の違いを障がいがある、なしで別けることが正しいのか?という見方です。

仮にこだわりが強く、マイペースなオランウータンが発達障害的だとします。仮にチンパンジーが健常者と呼ばれる人々とします。

でも、チンパンジーもオランウータンも障がいはないですよね。ライフスタイルや遺伝子が違うだけ。

もしも僕達人間がチンパンジー型とオランウータン型に別れると考えたら、健常者と呼ばれる人間はチンパンジー型かもしれません。群れ(集団)で活動し、コミュニケーションを円滑にすることが求められているから。数としてもチンパンジー型が多い多数派でしょう。

オランウータン型は単独行動をとり、こだわりが強い、コミュニケーションはあまり得意ではない。そしてたまたまオランウータン型はチンパンジー型に比べて、数が少ない。少数派だ。

そしてオラウータンらしさが際立つ人は発達障がいがあるということになるのかもしれない。

オランウータンが多くチンパンジーが少ない国に行けば、それは障がいじゃなくなる。


発達障害の方や、その傾向がある方たちは脳の使い方が健常と呼ばれる人と違うそうです。コミュニケーションは得意ではないが、一つのモノ・コトへのこだわり(愛)があり、好きなことに集中する能力が高い人達なのかもしれません。

現実には障がいがあるとされて苦しんでおられる方も、障がいのある方の対応で苦慮されている周りの方もいらっしゃいますが、

障がいのあるなしで見るというか、チンパンジー的な人とオランウータン的な人がいるだけかもしれません。

オランウータンにはオランウータンに合ったライフスタイルや環境があれば、楽に暮らせるのではないでしょうか。

別に障がいと言われる必要もないのかもしれません。

オランウータンは自閉症に似ていると動物園の飼育員さんが言ってたことがきっかけで、着想を得て書きました。

ぼくはただのロマンチストなんじゃないかとも思いますが。

澤井  


Posted by コネクトスポット at 11:29 │コメントをする・見る(0)発達障がい